2016年10月31日

今週の注目感染症 平成28年・42週(10月17日~10月23日)

〜腸管出血性大腸菌感染症〜
 腸管出血性大腸菌感染症は、ベロ毒素を産生する腸管出血性大腸菌の感染で起こる病気で、今週は県内で8例の報告がありました。主な症状は下痢と腹痛ですが、溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などを起こして死に至ることもあります。汚染された食品からの経口感染や、感染者の便を介して感染します。予防のために、食前・トイレの後などは、石鹸と流水で十分な手洗いを行い、調理器具の消毒・殺菌などに注意しましょう。特に、焼き肉やバーベキューの際には、生肉を避け、肉にしっかり火が通るように十分加熱しましょう。

〜麻しん〜
 麻しんは、空気感染、飛沫感染、接触感染により感染し、その感染力は非常に強いと言われています。麻しんには予防接種が有効です。麻しんを疑う症状が現れた場合は、かかりつけ医にその旨を伝え、指示に従って医療機関を受診しましょう。
2016年8月より麻しんの感染が拡がり、神奈川県では、第33週(8月15日~8月21日)に今年初めての麻しん患者が報告されました。第42週(10月17日~10月23日)には報告がなく、累計で6件です。


【今週の定点把握対象疾患】
・咽頭結膜熱の定点当たりの報告数は、鎌倉保健福祉事務所三崎センター管内(3.00)で高くなっています。
・RSウイルス感染症の定点あたりの報告数は、厚木保健福祉事務所管内(2.73)、平塚保健福祉事務所秦野センター管内(2.00)で高くなっています。
・手足口病の定点当たりの報告数は、小田原保健福祉事務所管内(3.00)、厚木保健福祉事務所管内(2.82)、でやや高くなっています。
・流行性耳下腺炎の定点あたりの報告数は、厚木保健福祉事務所大和センター管内(3.17)でやや高くなっています。
・流行性角結膜炎の定点当たりの報告数は、厚木保健福祉事務所管内(5.00)でやや高くなっています。
・マイコプラズマ肺炎の定点あたりの報告数は、厚木保健福祉事務所管内(6.00)、横浜市(3.00)でやや高くなっています。

【神奈川県感染症情報センターより参照】
(平成28年10月27日更新)