2016年10月24日

今週の注目感染症 平成28年・41週(10月10日~10月16日)

〜マイコプラズマ肺炎〜
マイコプラズマ肺炎は肺炎マイコプラズマという細菌の感染により起こる病気です。今週は、例年より多く報告されました。小児や若い人に多くみられ、症状は発熱、全身倦怠感、頭痛、乾いた咳などです。また、肺炎を起こして重症化したり、無菌性髄膜炎、脳炎などを合併したりすることもあります。患者の咳やくしゃみの飛沫を吸い込む飛沫感染や、手指を介した接触感染で拡がりますので、手洗い、うがい、咳エチケット(咳が出る場合にマスク着用)に気を付けて予防しましょう。

〜梅毒〜
性的接触などで感染部位に粘膜や皮膚が接触することによって感染します。早期に診断して治療をすれば完治できる病気ですが、放置をすると脳や心臓に合併症を起こすことがあります。皮膚のしこり、足のつけ根のリンパ節の腫れ、手のひら・足の裏・全身に赤い皮疹などの症状がある場合には、早めに医療機関にご相談ください。

〜麻しん〜
麻しんは、空気感染、飛沫感染、接触感染により感染し、その感染力は非常に強いと言われています。麻しんには予防接種が有効です。麻しんを疑う症状が現れた場合は、かかりつけ医にその旨を伝え、指示に従って医療機関を受診しましょう。
2016年8月より麻しんの感染が拡がり、神奈川県では、第33週(8月15日~8月21日)に今年初めての麻しん患者が報告されました。第41週(10月10日~10月16日)には報告がなく、累計で6件です。(当該週の各保健福祉事務所からの報告をもとに期日を決めて集計しているため、集計数が変動することがあります。)


【今週の定点把握対象疾患】
・咽頭結膜熱の定点当たりの報告数は、流行が続いていた鎌倉保健福祉事務所三崎センター管内(1.00)で終息基準値(1)となっています。
・手足口病の定点当たりの報告数は、小田原保健福祉事務所管内(3.50)、厚木保健福祉事務所管内(2.89)、川崎市(2.03)でやや高くなっています。
・流行性耳下腺炎の定点あたりの報告数は、平塚保健福祉事務所秦野センター管内(2.00)でやや高くなっています。
・流行性角結膜炎の定点当たりの報告数は、厚木保健福祉事務所管内(4.33)でやや高くなっています。
・マイコプラズマ肺炎の定点あたりの報告数は、藤沢市(4.00)、厚木保健福祉事務所管内(4.00)、横浜市(3.00)でやや高くなっています。


【神奈川県感染症情報センターより参照】
(平成28年10月20日更新)