2017年06月02日

今週の注目感染症  平成29年・21週(5月22日~5月28日)

~A群溶血性レンサ球菌咽頭炎~
A群溶血性レンサ球菌による上気道感染症で、発熱、咽頭痛、咽頭発赤、苺状の舌などの症状が現れます。まれに重症化して猩紅熱、肺炎、髄膜炎、リウマチ熱、急性糸球体腎炎などを合併することがあります。患者の咳やくしゃみの飛沫を吸い込む飛沫感染や、手指を介した接触感染で広がります。手洗い、うがい、咳エチケット(咳やくしゃみの症状がある人はマスクを着ける)に注意して、感染を予防しましょう。

~梅毒 ~
梅毒トレポネーマによる感染症で、性的接触などで感染部位に粘膜や皮膚が接触することによって感染します。神奈川県では今年の累計報告数が114件となり、昨年にくらべて早いペースとなっています(昨年同時期95件)。早期に診断して治療をすれば完治できる病気ですが、放置をすると脳や心臓に合併症を起こすことがあります。皮膚のしこり、足のつけ根のリンパ節の腫れ、手のひら・足の裏・全身に赤い皮疹などの症状がある場合には、早めに医療機関にご相談ください。

【今週の定点把握対象疾患】
●咽頭結膜熱の定点当たりの報告数は、鎌倉保健福祉事務所三崎センター管内(2.50)、厚木保健福祉事務所管内(1.18)でやや高くなっています。
●A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たりの報告数は、平塚保健福祉事務所管内(6.43)、平塚保健福祉事務所秦野センター管内(5.33)、厚木保健福祉事務所管内(4.27)、小田原保健福祉事務所管内(4.17)、川崎市(4.06)でやや高くなっています。
●感染性胃腸炎の定点当たりの報告数は、平塚保健福祉事務所秦野センター管内(13.33)でやや高くなっています。
●流行性角結膜炎の定点当たりの報告数は、相模原市(6.50)、横須賀市(5.00)、厚木保健福祉事務所管内(4.33)でやや高くなっています。


【神奈川県感染症情報センターより参照】
(平成29年6月1日更新)