2017年05月15日

今週の注目感染症  平成29年・18週(5月1日~5月7日)

~腸管出血性大腸菌感染症~
腸管出血性大腸菌感染症は、ベロ毒素を産生する腸管出血性大腸菌の感染で起こる病気です。今週は1例の報告があり、今年の累計報告数は10例となりました。主な症状は下痢と腹痛ですが、溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などを起こして死に至ることもあります。汚染された食品からの経口感染や、感染者の便を介して感染します。予防のために、食前・トイレの後などは、石鹸と流水で十分な手洗いを行い、調理器具の消毒・殺菌などに注意しましょう。特に、肉・肉製品の調理の際には、中心部までしっかり火が通るように十分加熱しましょう。

~咽頭結膜熱と流行性角結膜炎~
咽頭結膜熱は発熱、咽頭炎、眼症状を主症状とする感染症で、主に小児にみられます。咳やくしゃみなどの飛沫による感染や、患者とのタオル共有などによる接触で感染します。流行性角結膜炎は強い結膜炎が主症状で、炎症が角膜にも及ぶことがあります。小児に多いですが、幅広い年齢層でみられます。患者とのタオル共有などによる接触で感染します。どちらもアデノウイルスの感染によるもので、例年、これから夏にかけて多くみられています。今後の発生動向に注意しましょう。


【今週の定点把握対象疾患】
●インフルエンザの定点当たりの報告数は、全県(1.39)で前週の全県(2.99)より減少しています。
●咽頭結膜熱の定点当たりの報告数は、鎌倉保健福祉事務所三崎センター管内(2.00)でやや高くなっています。
●A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たりの報告数は、平塚保健福祉事務所管内(4.57)でやや高くなっています。
●感染性胃腸炎の定点当たりの報告数は、厚木保健福祉事務所管内(8.55)でやや高くなっています。
●流行性角結膜炎の定点当たりの報告数は、厚木保健福祉事務所管内(5.00)でやや高くなっています。

【神奈川県感染症情報センターより参照】
(平成29年5月11日更新)