2017年03月22日

今週の注目感染症  平成29年・10週(3月6日~3月12日)

~インフルエンザ~
神奈川県では、第4週をピークに減少傾向となり、流行終息地域がある一方、まだ報告数の多い地域もみられます。感染している人の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込んだり、ウイルスが付着した手で目、鼻、口を触れたりすると感染します。感染予防の基本である外出後の手洗い・うがいを十分に行い、急な発熱や咳、くしゃみなどインフルエンザが疑われる症状がある場合、周囲に感染が広がらないようにマスクを着用しましょう。インフルエンザにはいくつかの型があり、一度かかっても違う型のインフルエンザにかかることがあります。まだ流行している地域では、引き続き感染予防に努めましょう。

~感染性胃腸炎(ロタウイルス)~
ロタウイルスは乳幼児の急性胃腸炎の主な原因で、例年、3月から5月にかけて流行がみられます。症状は水のような下痢、吐き気、嘔吐、発熱、腹痛で、自然に治ることが多いですが、脱水症状や脳症を合併して重症化することもあります。感染力が強く、感染者の嘔吐物や便から排出されたウイルスが手指を介して感染します。感染予防には、オムツの適切な処理(使い捨てゴム手袋を使用するなど)、石けんを使った手洗いが必要です。また、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)希釈液による消毒が効果的です。


【今週の定点把握対象疾患】
●インフルエンザの定点当たりの報告数は、全県(10.87)で前週の全県(13.19)より減少傾向ですが、川崎市(15.27)、厚木保健福祉事務所管内(14.12)、横浜市(10.90)、平塚保健福祉事務所秦野センター管内(10.90)、厚木保健福祉事務所大和センター管内(10.45)はまだ高くなっています。あらたに、鎌倉保健福祉事務所管内(6.80) 、茅ケ崎保健福祉事務所管内(8.64) 、相模原市 (8.78)、藤沢市(8.86)で終息基準値(10)を下回りました。
●咽頭結膜熱の定点当たりの報告数は、鎌倉保健福祉事務所三崎センター管内(4.00)で警報レベル(3)を超えています。
●A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たりの報告数は、小田原保健福祉事務所管内(4.33)でやや高くなっています。
●感染性胃腸炎(ロタウイルス) の定点当たりの報告数は、相模原市(12.00)で高くなっています。


【神奈川県感染症情報センターより参照】
(平成29年3月16日更新)