2016年12月09日

今週の注目感染症  平成28年・48週(11月28日~12月4日)

~感染性胃腸炎~
細菌やウイルスにより嘔吐や下痢の症状が現れる感染症の総称です。特にウイルス性の感染性胃腸炎は冬期に多く、ノロウイルスを中心に毎年、学校や入居施設などで集団発生がみられています。今週、神奈川県では定点当たりの報告数が23.62件となり、警報レベル(20)を超えました。感染者の嘔吐物や便から手指を介した感染の他、汚染された生の二枚貝を原因とするノロウイルス食中毒も見られます。感染予防のため、食事の前やトイレの後にしっかり手洗いを行いましょう。

~インフルエンザ~
感染している人の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込んだり、ウイルスが付着した手で目、鼻、口を触れたりすることによって感染します。感染予防の基本である外出後の手洗い・うがいは十分に行い、急な発熱や咳、くしゃみなどインフルエンザが疑われる症状がある場合、周囲に感染が広がらないようにマスクを着用しましょう。重症化を防ぐためにはインフルエンザワクチンの接種が有効です。また、合併症の一つである肺炎の予防には肺炎球菌ワクチンの接種が有効です。接種希望の方は、お早めにかかりつけの医療機関にご相談ください。

~腸管出血性大腸菌感染症~
第48週(11月28日~12月4日)は2件の報告があり、累計で265件です。
(当該週の各保健福祉事務所からの報告をもとに期日を決めて集計しているため、集計数が変動することがあります。)
腸管出血性大腸菌感染症は、ベロ毒素を産生する腸管出血性大腸菌(O157など)の感染で起こる病気です。主な症状は下痢と腹痛ですが、溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などを起こして死に至ることもあります。汚染された食品からの経口感染や、感染者の便を介して感染します。予防のために、肉、肉製品の調理の際には、十分に加熱しましょう。また、食前・トイレの後などは、石鹸と流水で十分な手洗いを行い、調理器具の消毒・殺菌などに注意しましょう。

【今週の定点把握対象疾患】
・感染性胃腸炎の定点当たりの報告数は、全県(23.62)で警報レベル(20)を超えています。
・インフルエンザの定点当たりの報告数は、全県(2.80)で先週(1.56)より増加しています。

【神奈川県感染症情報センターより参照】
(平成28年12月9日更新)