2017年09月15日
今週の注目感染症 平成29年・36週(9月4日～9月10日)
～腸管出血性大腸菌感染症～
腸管出血性大腸菌感染症は、ベロ毒素を産生する病原性大腸菌の感染で起こる病気です。主な症状は下痢と腹痛ですが、溶血性尿毒症症候群（HUS）や脳症などを起こして死に至ることもあります。汚染された食品や、感染者の便を介して感染します。予防対策として、①食前・トイレの後などは石鹸と流水で十分な手洗いを行う、②調理器具の消毒・殺菌を確実に行う、③肉・肉製品の調理の際には中心部75℃以上で1分間以上加熱する、④生野菜はよく水洗いをする、などに注意しましょう。また、強い腹痛や下痢(特に血便)の症状がある場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
～手足口病～
第28週に全県で警報レベルを超えました。
報告数は減少傾向ですが、まだ流行は続いています。適切な排泄物の処理、石けんを使った手洗いを心がけて感染を予防しましょう。
今週の定点把握対象疾患
・手足口病の定点当たりの報告数は、全県(6.13)で前週の全県(7.68)より減少しましたが、引き続き警報レベル(5)を超えています。特に、厚木保健福祉事務所管内(13.00)で高くなっています。
・RSウイルス感染症の定点当たりの報告数は、全県(1.97)で前週の全県(2.20)より減少しましたが、例年より高いレベルが続いています。特に厚木保健福祉事務所管内(7.36)、平塚保健福祉事務所管内(5.29)で高くなっています。
・流行性角結膜炎の定点当たりの報告数は、相模原市(7.50)、小田原保健福祉事務所管内(5.00)、厚木保健福祉事務所管内(4.00)でやや高くなっています。
・ヘルパンギーナの定点当たりの報告数は、平塚保健福祉事務所秦野センター管内(2.67)、川崎市(2.16)、厚木保健福祉事務所管内(2.00)でやや高くなっています。
・咽頭結膜熱の定点当たりの報告数は、鎌倉保健福祉事務所三崎センター管内(2.50)でやや高くなっています。
・A群溶血性レンサ球菌感染症の定点当たりの報告数は、平塚保健福祉事務所秦野センター管内(5.17)、平塚保健福祉事務所管内(5.00)でやや高くなっています。
【神奈川県感染症情報センターより参照】
（平成29年9月14日更新）